【内覧会レポ】大阪中之島美術館「生誕150年記念 上村松園」5月13日(火)より後期展示スタート!重要文化財《序の舞》も登場!貴重な下絵も展示!

みなさん、こんにちは。
大阪中之島美術館は、美人画で名声を博した上村松園が誕生して150年の節目を迎えることを記念して、「生誕150年記念 上村松園」を、2025年3月29日(土)~6月1日(日)の会期で開催しております。前期展示は5月11日(日)で終了し、5月12日(火)より後期展示が始まります。後期展示では、重要文化財である《母子》や《序の舞》、本展メインビジュアルの《待月》など、松園の代表作ともいえる作品が勢ぞろいします。
それに伴い、記者内覧会に参加させていただきましたのでご紹介いたします。
京都に生まれた上村松園は、美人画の第一人者として知られます。
伝統を学びながら独自の人物表現を切り拓き、生涯にわたり理想の女性像を追い求めて描きました。男性で占められていた明治期の美術界において、並外れた努力を重ねて名声を築き、1948年には女性として初めて文化勲章を受章しました。
松園が描いた気品ある清澄な女性像の数々は、今日も観る者に深い感銘を与えます。
記者内覧会では、担当学芸員の方が作品鑑賞のポイントを解説してくださりました。
展示室内では、一部作品をのぞき、写真撮影はできませんのでご注意を!
また、展示室内の動画撮影も禁止です。
上記マークが付いている作品は撮影OKです!
Contents
プロウンカクテル編集部3つの推しポイント!
【その1】重要文化財《序の舞》がついに展示!下絵もお見逃しなく!
後期展示からは重要文化財《序の舞》がついに展示されます。
上村松園についてあまり詳しくない方でも、「この作品は知っている!」という方も多いのではないでしょうか?実は、お客様から「展示されますか?」と問い合わせがたくさん来ていたそう。私も実物を間近で観れて幸せです。
そして、なんと貴重な下絵も隣に展示されています。
見比べるのが楽しいですよ。下絵の段階で既に素晴らしいのですが、作品に落とし込んだ際の方がより一層、女性の凛々しさや美しさ、繊細さを感じるました。
【その2】空間デザインにもご注目を!
展示会場外、展示会場内の空間デザインにもご注目いただきたいです。広々として余白を感じさせる高級感ある配置は、上村松園生誕150年記念にふさわしいです。
下絵を多く展示していた上の写真の空間が私のお気に入り。丸い窓から漏れる光の影も美しいのです。作品単体が美しいのは勿論空間も含めての展示だと実感いたしました。
【その3】上村松園の使用していた画材や私物の展示も!
会場最後に上村松園が使用していた画材や私物が展示されていました。すごく保存状態が良くて、上村松園の丁寧な性格や受け継いだ方の愛を感じました。
後期展示(5月13日~6月1日)の主な出展作品
上村松園 《母子》 (重要文化財) 1934年 東京国立近代美術館 【後期展示】
慈愛に満ちたまなざしで青眉の母が子を見つめる。
母性をテーマとする松園作品のなかでも代表的な名作。
上村松園《序の舞》(重要文化財)1936年 東京藝術大学 【後期展示】
能を舞う若い女性は凛として、優美な所作のなかにも意志が感じられる。
松園芸術における真の代表作。
上村松園《花がたみ》 1915年 松伯美術館 【5/20-6/1展示】
能や謡曲を絵の題材とした最初の大作。
女性の悲哀を品格を落とすことなく描きたいと願った松園が、能に手がかりを見つけた最初の作品である。
※こちら記者内覧会当日の展示はありませんでしたので、ぜひ、皆様直接ご高覧いただけますと幸いです!
上村松園《晩秋》 1943年 大阪市立美術館 【後期展示】
障子の破れを繕う若い女性のさりげない姿が清々しい。
日常の働く女性を描いた、晩年の松園による名作。
上村松園《待月》 1944年 吉野石膏コレクション 【後期展示】
両手を組んだ女性が頬杖をつく姿を斜め後ろから横顔に捉える。
欄干を低めの位置に配し、空を広々と描くことで女性の半身がいっそう引きたてられている。
上村松園《男舞之図》 1938年頃 名都美術館 【後期展示】
舞い手の女性は典型的な男舞の姿で描かれ、躍動的なポーズをとる。
衣裳は華やかで、髪に挿された白い髪飾りが凛々しさに優美さを加えている。
オリジナルグッズもお見逃しなく!
オリジナルグッズは、定番のポストカードやクリアファイルなどの文房具系から、作品に描かれた着物や髪飾りをモチーフにした和小物、美味しそうな食品系まで幅広くありました。松園の美人画の世界を日常生活でもお楽しみいただけますよ。
私のイチオシは「鼓月 プレミアム千寿せんべい」!
自分用には勿論、贈り物にも喜ばれること間違いなしです。
プロウンカクテル編集部後記
どの作品も大変美しくて見惚れてしまいました。
担当学芸員の方が「上村松園の作品は透け感がある」と仰っていましたが、本当に《待月》では、薄手の羽織物の下の着物の柄の透け感が美しくて感動いたしました。
また、作品が新しくなるにつれて、描き込みが簡素化されている箇所が多々あるのに、絵的には洗練されていってるのが興味深かったです。それと母性をテーマとする作品の子どもの柔らかな描写にもグッと来ました。手や頬、目に上村松園のこだわりを感じます。
そして、音声ガイドのナビゲーターは俳優・木村多江さんがご担当されていらっしゃいます。ご本人も上村松園のファンで、作品も何度かご覧になっているそう。目で耳で上村松園の世界を存分に堪能できますね。
「生誕150年記念 上村松園」は2025年6月1日(日)まで大阪中之島美術館にて開催です。
ぜひ、この機会にご高覧くださいませ。
「生誕150年記念 上村松園」開催概要
会 期:2025年3月29日(土)~6月1日(日)
休 館 日 :月曜日、5/7(水) ※4/28(月)、5/5(月・祝)は開館
開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
観 覧 料 :一般 1,800円(団体 1,600円)
高大生 1,500円(団体 1,300円)
小中生 500円(団体 300円)
※税込価格。
※団体料金は20名以上。団体鑑賞をご希望される場合は事前に大阪中之島美術館公式ホームページからお申込みください。
※学校団体の場合はご来場の4週間前までに大阪中之島美術館公式ホームページ学校団体見学のご案内からお申込みください。
※障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)は当日料金の半額(要証明)。
ご来館当日、2階のチケットカウンターにてお申し出ください。(事前予約不要)
※本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。
※事前予約制ではありません。展示室内が混雑した場合は、入場を規制する場合があります。
※災害などにより臨時休館する場合があります。
チケット販売場所:大阪中之島美術館チケットサイト、展覧会公式オンラインチケット(etix)、各種プレイガイド
会 場:大阪中之島美術館 4階展示室
主 催:大阪中之島美術館、日本経済新聞社、テレビ大阪、京都新聞、神戸新聞社
特別協力:公益財団法人 松伯美術館
協 賛:DNP大日本印刷
展覧会公式サイト:https://art.nikkei.com/shoen/
美術館公式ホームページ: https://nakka-art.jp/exhibition-post/shoen-2025/
お問い合わせ: 06-4301-7285 大阪市総合コールセンター(なにわコール)※受付時間 8:00~21:00(年中無休)

この記事が気に入ったらいいね!で
最新記事をお届けします