【取材レポ】音楽とアートが交差する都市体験──「MUSIC LOVES ART 2025」大阪・千葉で開催!

みなさん、こんにちは。
文化庁は、アートと音楽の融合を通じて新たな文化発信を目指すプロジェクト「MUSIC LOVES ART 2025」を、2025年8月15日(金)から31日(日)までの17日間、大阪・吹田市(万博記念公園など)および千葉市(幕張新都心)において開催します。SUMMER SONICとの連携を軸に、都市空間を舞台にした芸術体験で「音楽とアートが出会う瞬間」を創出します。
それに先立ち、万博記念公園にて先日行われたメディア向け取材会に参加させていただきましたのでご紹介いたします。
Contents
「MUSIC LOVES ART 2025」とは?
「新しい価値観や意味もつアートと音楽」を、「日本を舞台にくりひろげられる芸術文化」として、世界各国から来訪する人々と交流を育み、未来を創造する産業をつなぐ拠点をつくるプロジェクトです。
プロジェクトのテーマと目的
本プロジェクトは「転調の光景」をテーマに掲げ、自治体・企業・SUMMER SONICと連携し、音楽とアートが交わる体験の場を多数設けています。アート作品の展示、駅構内での映像上映、ツアーや茶道体験など、多彩な試みを通じて、街そのものを芸術的空間へと変えます。さらに、「みんまちDROP」を活用したスタンプラリー形式のまち歩き企画も実施され、参加者が街と作品を楽しみながら体験できる仕掛けが用意されています。
大阪エリアの見どころ
JR大阪駅周辺/中之島公園/心斎橋PARCO地下2階など市内各所で展示を実施。作品は、阿部和樹氏の「Press On」(楽曲提供:muque「Level up」)、森山大道氏の「FLOATING FLOWER」「SHOOTING LIGHT」など多彩です。なお、中之島公園や堀江公園でも複数の作品が期間限定で展示されます。
吹田市・万博記念公園(SUMMER SONIC会場)では、babot氏による巨大アート作品「DREAM DREAM DREAM/夢夢夢(むむむ)」が展示され、フェス来場者に新たな視覚体験を提供します。
※SUMMER SONIC開催期間のみの展示(8/16-8/17)
千葉エリアの展示内容
幕張メッセ前広場やベイタウンなどを舞台に、GOO CHOKI PARによる「Sound in Motion」、GROUNDRIDDIUMの「Resonant Materials」、さらに阿部和樹氏と田村育歩氏の作品も幕張地区で展開されます。
映像作品はプレナ幕張やイオンモール幕張新都心の大型ビジョンにも登場し、通行者の目を惹きます。
文化庁懇談会──日本の音楽・エンタメを世界へ
文化庁は、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の視察を踏まえ、海外展開や国の役割をテーマに万博記念公園にて懇談会を開催しました。
冒頭の発言では、海外展開の可能性について「一企業や一組織だけでは難しい。民間が努力を重ねているが、国が応援することには大きな意味がある」と述べ、国の支援の必要性を強調しました。
また、日本に眠る数多くの才能に触れ、「才能は国の大きな財産であり、それを発掘し世界に発信していくことが重要です。国はその環境づくりを担い、ノウハウは民間と連携して取り組んでいきたい」と語りました。
囲み取材の中では、韓国の事例も紹介されました。「韓国は20年前から国策としてエンターテインメントを推進し、その結果アカデミー賞やグラミー賞の受賞につながっています。日本はその後を追う形ですが、韓国のエンターテインメントが世界を席巻しているのは事実です。これは学ぶべき点です」と指摘しました。
さらに、「日本には豊かなリソースがあるのに十分活用できていないのが現状です。国が才能発掘をサポートし、民間と協力して世界へ展開することが必要です」と強調しました。
今後の展望については、「たとえば《Music Award Japan》のような取り組みは、アジアの才能あるアーティストを世界に発信する仕組みになります。日本を経由して世界へ羽ばたくことで、さらに多くの才能が日本に集まるはずです」と語り、国際的な音楽アワードやフェスティバルの意義を述べました。
最後に、「日本だけでは成し得ないことも、日本を拠点とするフェスやアワードを通じて世界に発信できる。それを継続することが大きな目標です」と締めくくり、囲み取材は終了しました。
babot(バボット)の作品が万博記念公園にて展示
8月16日(土)〜17日(日)まで万博記念公園にてbabot(バボット)の作品「DREAM DREAM DREAM / 夢夢夢(むむむ)」が展示されていました。
1周約 45mの長さのあるオブジェは迫力満点で、360度見どころ満載でした!
文化庁の都倉長官もbabotの作品「DREAM DREAM DREAM / 夢夢夢(むむむ)」を鑑賞されていらっしゃいました。
作品紹介
「MUSIC LOVES ART 2025」のテーマ「転調の光景」に因んで、1周約 45mの長さのあるオブジェに「転調」をちりばめた複数のバルーンから成るインスタレーション。今日出会ったすべての人やものたちと「夢」の中でつながってほしいという願いを込めている。インスタレーションのなかに浮遊する黒い棒人間は、まだわたしが誰なのか知らない。長く連なる幾何学や模様に込められたメッセージをぼんやりとながめていると、黒い棒人間から聞こえてくる言葉がある。「きみを知ってるよ…」。「夢」と「現実」を往来する音楽フェスティバルのステージとステージを結ぶ道は夢への道。「クロース・ハーモニー」というスタイルで活躍したエヴァリー・ブラザースの楽曲「夢を見るだけ(All I Have to Do Is Dream)」(1958)に着想を得て、バルーンアートで「夢の作品」を表現している
60年代からメディアアートの草分けとして活躍した高橋士郎により、1972年に「空気膜造形」シリーズとして発表された「babot(バボット)」。サイズも形も自由に変えられる空気を素材にしたバルーンであり、キャラクターや幾何学模様、動植物モチーフなど多彩なデザインに、カラーLEDやDMX制御を採用。巨大な造形物として、現代美術のインスタレーションとして、都市空間における彫刻、室内の仮設空間や環境造形として国内外で発表されている。現在は、株式会社バボットとして展示会、プロモーション活動向けに特化したバルーン製作・レンタルを提供している。
まち歩きを楽しむ仕掛けも充実
アプリ「みんまちDROP」を用いたスマートフォン連動型スタンプラリーを実施し、アート、建築、自然、商業施設など多彩なスポットを巡りながら、来場者自身の体験として作品世界に触れることができます。位置情報連動による案内もあり、利用者同士の鑑賞体験共有も可能です。
今後の展開と期待
秋以降は、アーティストやクリエイター、文化産業関係者らのネットワーキングやカンファレンス開催など、さらなる発信拠点の形成を視野に入れた取り組みが予定されています。大変楽しみですね!
MUSIC LOVES ART 2025 開催概要
会期および会場
大阪 令和7年8月15日(金)~31日(日)
SUMMER SONIC 大阪会場 | 8月16日(土)~17日(日) |
大阪ステーションシティ(JR大阪駅) 2階アトリウム広場 | 8月15日(金)~31日(日) |
中之島公園 | 8月30日(土)~31日(日) |
心斎橋PARCO地下2階 | 8月15日(金)~31日(日) |
堀江公園 | 8月16日(土)~31日(日) |
萬福寺 | 8月16日(土)~31日(日) |
千葉 令和7年8月15日(金)~31日(日)
SUMMER SONIC幕張会場 | 8月15日(金)~17日(日) |
海浜幕張駅南口駅前広場 | 8月15日(金)~29日(金) |
プレナ幕張 | 8月15日(金)~31日(日) |
QVCジャパン本社ビル | 8月15日(金)~31日(日) |
イオンモール幕張新都心 | 8月15日(金)~31日(日) |
幕張ベイタウン夏祭り | 8月30日(土) |
主催
大阪
文化庁
独立行政法人日本芸術文化振興会 令和7年度日本博2.0事業(委託型)
千葉
文化庁
後援
大阪
大阪府、大阪市、吹田市、大阪商工会議所、関西広域連合(※申請中)
千葉
千葉県、千葉市、幕張新都心まちづくり協議会
特別協力
大阪
SUMMER SONIC 2025(株式会社クリエイティブマンプロダクション、株式会社キョードー関西)
公益社団法人関西経済連合会(※申請中)
千葉
SUMMER SONIC 2025(株式会社クリエイティブマンプロダクション)
(※申請中)
協力(五十音順)
大阪
一般社団法人うめきたMMO、株式会社FM802、株式会社大林組、JR西日本ステーションシティ株式会社、心斎橋PARCO、阪急阪神不動産株式会社、阪急阪神ホールディングス株式会社、萬福寺
千葉
イオンモール幕張新都心、株式会社QVCジャパン、株式会社ビスメディア、プレナ幕張、株式会社幕張メッセ、幕張ベイタウン夏祭り実行委員会
事務局
株式会社SIGNING
Webサイト

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