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2025.03.28

【内覧会レポ】「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」兵庫県立美術館にて開催中!

みなさん、こんにちは。
2025年3月29日(土)~5月25日(日)の期間、兵庫県立美術館にて「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」を開催いたします。それに先立ち、メディア向け内覧会に参加いたしました。

自由内覧開催前にレクチャールームにて挨拶が行われました。

兵庫県立美術館 館長 林 洋子 氏

愛知県美術館 学芸員 黒田 和士 氏

兵庫県立美術館 学芸員 相良 周作 氏

学芸員の方による分かりやすい作品解説も

愛知県美術館 学芸員 黒田 和士 氏

また、展示内容説明を愛知県美術館 学芸員 黒田 和士 氏がご担当され、パウル・クレーの生涯や作品をいくつかピックアップし分かりやすくお話しくださりました。

Contents

パウル・クレー 20世紀美術に燦然と輝くスターたちとの共演!

2025年3月29日(土)~5月25日(日)の期間、兵庫県立美術館にて「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」を開催いたします。
「この世では、私を理解することなど決してできない。なぜなら私は、死者たちだけでなく、未だ生まれざる者たちとも一緒に住んでいるのだから。」
パウル・クレー(1879-1940)のこの言葉は、1920年にクレーの作品を売り出した画廊の販売戦略に用いられて、孤独に瞑想する芸術家としての彼のイメージを広めました。たしかにクレーの作品は謎めいているかもしれません。しかし、同じ時代を生きたほかの多くの前衛芸術家たちと同様に、クレーもまた、仲間たちと刺激を与え合ったり、夢を共有したりしながら、困難な時代を生き抜いたひとりの人間でした。
クレーは、人生の根源的な悲劇性と向き合いながら、線と色彩によって光を呼び起こし、抽象のなかに生命のエネルギーを描き出しました。その作品は、歴史的な文脈のなかに置かれることで、また新たな姿を見せることでしょう。本展では、スイスのパウル・クレー・センターの学術協力のもと、クレーと交流のあった芸術家の作品との比較や、当時の貴重な資料の参照を通じて、多くの人や情報が構成する星座=コンステレーションのなかでクレーを捉え直し、その生涯にわたる創造の軌跡をたどります。
なお本展は兵庫県立美術館では10年ぶりに開催のクレー展となります。

展示構成

1章 詩と絵画

クレーがミュンヘンのアカデミーに学び、帰郷後再度ミュンヘンにてカンディンスキーやフランツ・マルクら青騎士の芸術家たちと出会うまでを紹介します。

2章 色彩の発見

1912年にパリを訪れたクレーは衝撃を受け、その後チュニジアを訪問、色彩に目覚めます。ここではピカソ、ブラックらの作品も紹介します。

3章 破壊と希望

第一次世界大戦で青騎士の友人を失ったクレーは、戦争への批判的な態度を強め、自作の切断―再構成を実践します。ここでは戦争とクレーの関係性やダダの作家たちによるクレー評価を紹介します。

4章 シュルレアリスム

「シュルレアリスム宣言」で、クレーはその先駆者のひとりとされました。ここではクレーとシュルレアリスムの交流を展示します。

5章 バウハウス

1919年にクレーはバウハウスのマイスターとして招聘されました。ここではクレーの造形論を紹介し、クレーにおける構成主義的な傾向の影響を検証します。

6章 新たな始まり

ヒトラー政権樹立によりクレーは退廃的な「ユダヤ人」とみなされ、140点もの自作が「退廃芸術」として美術館から没収されました。ここではクレー自身とその時代の危機的状況を紹介します。

キャプションに水色がついているものが、パウル・クレーの作品になります。
ピカソやデ・キリコの作品など、同じ時代を生きたほかの多くの前衛芸術家たちの作品が並ぶ中、キャプションを見ることで簡単に判別可能となっています!

ミュージアムショップもお見逃しなく!

ポストカード、文房具とアクリルキーホルダーといった実用的なグッズは勿論、アクセサリーや服といった身に付けるものも。全部欲しくなっちゃいます。

個人的オススメはスケッチブック!私も購入しました。

フード系も充実していました。あの「PAPABUBBLE(パパブブレ)」とのコラボ商品もあり激アツです!

コースターも可愛い!実用的なのも推せます。

私のお気に入りの作品のカップも販売されていました。矢印がシュールで可愛いのです…!

お世話になった方へのプチギフトにもピッタリなコーヒーも。

「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」は、2025年3月29日(土)~5月25日(日)の期間、兵庫県立美術館にて開催!

パウル・クレーの作品だけでなく、同じ時代を生きたほかの多くの前衛芸術家たちの作品も鑑賞できる大変贅沢な内容でした。作風が、初めは精密な具象寄りで、どんどん画家活動が進むうちに抽象的になっていっていくのも興味深かったです。戦争だった当時の時代背景もあり、温かみを感じる繊細な画風からは想像を絶するパウル・クレーの苦悩を感じつつも、描くことが本当に好きなのが伝わってきましたし、展示内容説明で愛知県美術館 学芸員 黒田 和士 氏が「6章 新たな始まり」にて、「パウル・クレーは、死の直前まで創造に対する熱を失わなかった。」と仰っていたのが心に響きました。私もそのような人生を歩みたいものです…!個人的に、もう一度じっくりと鑑賞しに伺おうと思っています。

また、兵庫県立美術館 館長 林 洋子 氏が仰っていましたが、兵庫県立美術館は、日本を代表する建築家、安藤忠雄氏の設計による美術館で見どころ満載です。今ちょうど、大阪の梅田(うめきた)で安藤忠雄氏の展覧会が開催中ですので、そちらを鑑賞してから兵庫県立美術館に来れば、より一層理解が深まりそうですね。

ぜひ、多くの方にご来館いただきたいです。

開催概要

展覧会名:パウル・クレー展――創造をめぐる星座
会 場:兵庫県立美術館 〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内]
会 期:2025年3月29日(土)~5月25日(日)50日間
開館時間:午前10時~午後6時 ※入場は閉館の30分前まで
休 館 日 :月曜日(ただし5月5日〔月・祝〕は開館、5月7日〔水〕は休館)

観 覧 料 :

当日

団体

一般

2,000

1,600

大学生

1,500

1,200

高校生以下

無料

70歳以上

1,000

800

障害者手帳等をお持ちの方(一般)

500

400

障害者手帳等をお持ちの方(大学生)

350

300

※団体は20名以上。団体鑑賞をご希望の場合は1カ月前までにご連絡ください
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助の方1名は無料
※予約制ではありません。混雑時は人数制限を行いますのでお待ちいただく場合があります
※一般以外の料金で利用される方は証明書を当日ご提示ください
※コレクション展の観覧には別途観覧料金が必要です(本展とあわせて観覧される場合は割引があります)

〈主な販売場所〉
公式オンラインチケット、チケットぴあ(Pコード:687-122)、ローソンチケット(Lコード:55615)、セブンチケット(セブンコード:108‐424)、イープラス、CNプレイガイド、アソビュー!、楽天チケット、兵庫県立美術館ミュージアムショップ、近鉄営業所ほか

主 催:兵庫県立美術館、産経新聞社、関西テレビ放送
協 賛:DNP大日本印刷、アイシン、公益財団法人伊藤文化財団
学術協力:パウル・クレー・センター
特別協力:東京国立近代美術館、公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
公式サイト: https://www.ktv.jp/event/paulklee
お問合せ :兵庫県立美術館 078-262-1011

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