【内覧会レポート】「デ・キリコ展」2024年9月14日(土)~12月8日(日)まで神戸市立博物館にて開催

みなさん、こんにちは。
2024年9月14日(土)~12月8日(日)まで神戸市立博物館にて「デ・キリコ展」が開催されます。それに先駆け、内覧会に参加いたしました。
Contents
なんと、関西では20年ぶりの開催!大回顧展!
デ・キリコの代名詞ともいえる「形而上(けいじじょう)絵画」は、サルバドール・ダリやルネ・マグリットをはじめ多くの画家に衝撃を与えました。
初期から晩年の作品まで世界各地から100点以上の作品が集結。デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展です。
そして、なんと関西では約20年ぶりの開催だそう!これは見逃せませんね。
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
「デ・キリコ展」では絵画にとどまらず、彫刻や舞台芸術など幅広い創作活動も紹介されています。まさにこの展覧会でデ・キリコの魅力を余すところなく楽しめます。
展示構成
第一章 自画像・肖像
《自画像》1922年頃、油彩・カンヴァス トレド美術館© Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
デ・キリコが生涯にわたって取り組んできた自画像は、自らの画家としての立場を表明する重要な主題でした。自画像の中で彼は、古風な出で立ちで自己を演出するばかりではなく、西洋絵画の伝統的なマチエールを意識した表現技法を披露しています。デ・キリコが古典絵画に傾倒していた1922年頃に描いた自画像。画家の前には、古代彫刻風の理想化されたデ・キリコ自身の肖像彫刻が置かれています。本作においてデ・キリコは、古代彫刻から学んだ過去の巨匠たちのように、歴史と対話をして制作する画家として自身を表しています。
第二章 形而上絵画
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
デ・キリコは1910年代に歪んだ遠近法や脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって日常の奥に潜む非日常や神秘、謎を表した革新的な絵画を描き始めます。ニーチェの哲学に影響を受けたその作品群に、後に自ら「形而上絵画」と名付けました。それらはシュルレアリストなど多くの芸術家に刺激をあたえました。
第三章 1920年代の展開
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
1920年代、デ・キリコは従来のマヌカンに加え、「室内風景と谷間の家具」「剣闘士」などの新たな主題にも取り組みます。海や神殿、山々など、本来は外にあるはずのものが天井の低い部屋の中にあります。逆に屋内にあるべき家具が外に置かれており、ちぐはぐで不穏なイメージを作り出しています。
第四章 伝統的な絵画への回帰:「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
デ・キリコは1920年ごろから、ティツィアーノやラファエロ、デューラーといったルネサンス期の作品に、次いで1940年代にルーベンスやヴァトーなどに加えて、19世紀フランスの新古典主義などの作品に傾倒し、伝統的絵画表現へと回帰していきます。過去の巨匠たちの傑作を研究し、これらを強く意識した作品を描くようになります。
第五章 新形而上絵画
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
1978年に亡くなるまでの10年余りの時期にデ・キリコは、あらためて形而上絵画に取り組みます。それらは「新形而上絵画」と呼ばれ、若い頃に描いた広場やマヌカン、室内風景などに新しい要素を画面上で融合し、過去の作品を再解釈した新しい境地に到達します。
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
長く苦難に満ちた旅路の果てに帰郷したギリシャ神話の英雄オデュッセウスが、ボートを漕ぐ姿を描きます。舞台は現代風の室内で、右の窓の外には故郷ギリシャの風景が見え、左の壁には「イタリア広場」を描いた作品がかけられていることから、ここはデ・キリコ自身の居室と解釈できます。室内の椅子や洋服ダンスなどもデ・キリコが過去に描いたモティーフです。画家は、英雄の旅路を、自身の長く険しい人生と重ねています。
展覧会オリジナルグッズもお見逃しなく!
展覧会オリジナルグッズがとにかくオシャレ!全部欲しくなります・・・!
イタリア雑貨、食品も販売されているので、まるで旅行したような気分に。
また、神戸会場ではイタリア菓子店「アマレーナ」とのコラボスイーツも販売。デ・キリコの画風をオマージュしたおしゃれなパッケージに、5種類のクロスタータ(ベリー、アプリコット、ピスタチオアマレーナ、栗、ショコラ)入りだそう。神戸ならではで良いですね!
私もポストカード数点とイタリア食材を購入しました。
個人的オススメは、ビスコッティとポストカード(1枚)のセット販売!なんと1セット380円(税込)というお手頃価格なのと、イタリアを代表するお菓子であるビスコッティは、デ・キリコの作品の中にも登場しています。袋も可愛くてお土産にピッタリです。
あまり日本では見かけないチューブ入りアンチョビも。
2024年9月14日(土)~12月8日(日)まで神戸市立博物館にて開催!気になる方はお早めに!
展示風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
展示作品が素晴らしいだけでなく、展示・空間デザインも素敵でまるでデ・キリコの世界に入り込んだような気分になりました。
館内に入ってすぐ、フォトスポットも。
ぜひ、この貴重な機会にみなさんもデ・キリコの世界に触れてみてはいかがでしょうか?
開催概要
展覧会名:デ・キリコ展
会 期:2024年9月14日(土)~12月8日(日)
会場:神戸市立博物館[神戸市中央区京町24番地]
開館時間:9:30~17:30 ※金曜日、土曜日は20:00まで ※展示室への入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)(ただし9月16日[月・祝]、9月23日[月・振休]、10月14日[月・祝]、11月4日[月・振休]は開館)
主 催:神戸市立博物館、朝日新聞社、関西テレビ放送
後援:イタリア大使館
特別協賛:大和証券グループ
協 賛:大和ハウス工業、NISSHA
企画協力:ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団、メタモルフォジ財団
特別協力:イタリア文化会館-大阪
協 力:日本航空、日本貨物航空、ルフトハンザカーゴAG、ITAエアウェイズ
お問合せ:078-391-0035(神戸市立博物館)
公式HP :https://dechirico.exhibit.jp/
神戸展HP:https://www.ktv.jp/event/dechirico/
入場料金(消費税込):
一般 | 大学生 | 高校生以下 | |
当日券 | 2,000円 | 1,000円 | 無料 |
団体券 | 1,800円 | 900円 | 無料 |
※神戸市在住で満65歳以上の方は当日一般料金の半額。(確認できるものをご持参ください)
※団体は20名以上。 ※障害のある方は障害者手帳等の提示で無料。(確認できるものをご持参ください)

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