【内覧会レポ】サラ・モリスの現在地を体感する、日本初の大規模個展「サラ・モリス 取引権限」大阪中之島美術館にて2026年1月31日(土)~4月5日(日)開催

大阪中之島美術館は、「サラ・モリス 取引権限」を2026年1月31日(土)~4月5日(日)に開催します。
ネットワークやグローバリゼーション、建築、組織や制度、都市と権力といったテーマに向き合ってきたモリスは、国際的なアートシーンを牽引するアーティストの一人です。
本展では、モリスの30年以上にわたるキャリアの中で制作された作品約100点を展示します。絵画約41点、映像作品17点、ドローイングに加え、本展のために制作された大型の壁画など、多彩な表現を通してモリスの仕事を包括的に紹介します。
「サラ・モリス 取引権限」開催に先駆け、プレス内覧会にご招待いただきましたのでレポートをお届けいたします。


3つのみどころ
みどころ① 国際的アートシーンを牽引するサラ・モリス、日本初の大規模個展
本展は、サラ・モリスにとって日本で初めて開催される大規模個展です。都市や権力構造を主題とした絵画と映像を往還する独自の表現は、同年代のアーティストの中でも高く評価されています。30年以上にわたる活動を一望できる構成により、モリスの表現の変遷と現在地を体感できます。
みどころ② 出展作品の約90%が日本初公開
展示作品の約90%が日本初公開となる点も、本展の大きな魅力です。代表的な絵画シリーズから映像作品まで、国内ではなかなか目にする機会のなかった作品が多数並びます。初公開作品を通して、モリスの思考や問題意識により深く触れることができます。
みどころ③ 新作壁画と関西ゆかりの映像作品に注目
本展のために制作された大型の新作壁画は、美術館の建築空間と強く結びついた見応えのある作品です。また、映像作品《サクラ》は、2018年に桜の開花直前の関西各地で撮影されました。都市の風景と季節の気配を捉えた本作からは、モリスが日本という場所に向けるまなざしが感じられます。
大阪中之島美術館とサラ・モリスの関係性


大阪中之島美術館は、モリスの作品を日本で初めてコレクションに加えた美術館です。所蔵作品には大型絵画や映像作品が含まれており、本展は同館とモリスとの長年の関係性を背景に実現しました。国際的に活躍するサラ・モリスの表現を、日本で本格的に紹介する貴重な機会となっています。
プレス内覧会では出品作家 サラ・モリスさんがご登壇!

皆さま、こんにちは。
本日この場でご挨拶をさせていただけること、そしてこの展覧会を開催できることを、心より感謝申し上げます。
私はこれまで日本ではグループ展に参加したことはありましたが、日本での個展は今回が初めてとなります。このようなかたちで展覧会を開催できることを、大変光栄に思っています。
本展では、1992年以降の作品から最新作までを紹介しています。中でも、完成したばかりの新作《スノーデン》は、本展を象徴する作品の一つです。これまで私が用いてきた建築的なイメージや構造、力の関係性といった要素が、改めて強く反映されています。
また今回は、日本の文脈を参照した作品も含まれています。金剛組は、世界でも最も古い企業の一つであり、寺院建築を手がけてきた建設会社です。そうした存在を参照することで、この展覧会にとって非常に興味深いひねりが生まれたと感じています。
この場を借りて、館長の菅谷さんをはじめ、本展の実現に関わってくださった多くのチームの皆さまに、心より感謝申し上げます。
私の絵画には、非常に多くの「座標」が存在しています。建築物のように見えることもありますが、それは単なる建物のイメージではなく、私たちが空間の中を、そして社会の中をどのように移動し、どのように関係を築いているのかを表したものです。
展覧会タイトルである「トランザクショナル・オーソリティ(取引権限)」についても、ぜひ考えてみていただければと思います。この言葉は、私たちが日々どのような関係性の中で生きているのかを問いかけるものです。私たちの関係性には常に「契約」が含まれており、その契約は刻々と変化していきます。アートもまた、その契約の一部だと私は考えています。
アートには力があります。それは必ずしも経済的な力ではありませんが、影響力や権限としての力を持っています。その力は、社会や人々の関係性に作用するものだと思っています。
この美しく素晴らしい建築の中で展覧会を開催できたことを、私は非常に誇りに思っています。この経験そのものが、私にとってとても大切で、美しいものです。
本日は本当にありがとうございました。
編集部後記
会場風景
鮮やかな色彩と幾何学的な抽象表現の奥に、都市や制度、権力といった現代社会の構造が静かに立ち現れるサラ・モリスの作品。本展は、絵画と映像を横断しながら、彼女が長年向き合ってきたテーマを多角的に体感できる構成となっていました。
日本初の大規模個展であり、出展作品の約90%が日本初公開という点も含め、サラ・モリスの現在地を知るための貴重な機会です。関西で撮影された映像作品や新作壁画からは、日本という場所とモリスの視点が交差する瞬間を感じ取ることができました。
都市を歩くように会場を巡りながら、私たち自身が日常的に身を置く「街」や「システム」をあらためて見つめ直すきっかけを与えてくれる展覧会です。
ぜひ、この機会に皆様も彼女の世界観をお楽しみくださいませ。
開催概要
展覧会名|サラ・モリス 取引権限
会期|2026年1月31日(土)~4月5日(日)
会場|大阪中之島美術館 5階展示室
休館日|月曜日、2/24(火)*2/23(月・祝)は開館
開館時間|10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料|一般1800円(団体1600円)、高大生1200円(団体1000円)、中学生以下無料
主催|大阪中之島美術館
お問い合わせ|06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
ウェブサイト|https://nakka-art.jp/exhibition-post/sarahmorris-2026/

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